雅楽も能楽も、「音楽と舞」の組み合わせである点では共通しますが、「音楽」の内容は異なります。
雅楽 = 器楽のみ(中国や朝鮮由来の場合)
能楽 = 器楽+声楽
能楽における声楽には、謡と掛け声があります。
そのうち謡は、能楽から独立しても演じられてきました。
その原動力になったのは、謡本の登場です。
歌詞と楽譜が一体化された謡本が、室町時代に創案されます。
それ以降、能楽に触れてこなかった人々が、謡本を通して謡に接し始めるようになります。
能役者の家に生まれた人々は、幼少期から祖父や父親によって口伝えで謡を教え込まされます。
謡本に頼らず、そもそも謡本に触れることなく。
謡本は、玄人(専門家)向けにではなく、素人(民衆)向けに考案されました。
折しも、識字率が高まる時期に当たります。
< つづく >
京都風の雛飾り 「五楽人」入り
江戸風の雛飾り 「五人囃子」入り
写真の出典『雛まつり』
福田東久 著 近代映画社
前回の問題 解答
「六十路」は、「むそじ」です。
「九十路」は、「ここのそじ」です。
今日の問題
『うれしいひなまつり』に出てくる官職名は、何でしょう。
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