雛飾りと五人囃子 その五

 雅楽も能楽も、「音楽と舞」の組み合わせである点では共通しますが、「音楽」の内容は異なります。
  雅楽 = 器楽のみ(中国や朝鮮由来の場合)
  能楽 = 器楽+声楽

 能楽における声楽には、謡と掛け声があります。
 そのうち謡は、能楽から独立しても演じられてきました。
 その原動力になったのは、謡本の登場です。

 歌詞と楽譜が一体化された謡本が、室町時代に創案されます。
 それ以降、能楽に触れてこなかった人々が、謡本を通して謡に接し始めるようになります。

 能役者の家に生まれた人々は、幼少期から祖父や父親によって口伝えで謡を教え込まされます。
 謡本に頼らず、そもそも謡本に触れることなく。 

 謡本は、玄人(専門家)向けにではなく、素人(民衆)向けに考案されました。
 折しも、識字率が高まる時期に当たります。
      < つづく >

七段飾り 京都風
 京都風の雛飾り 「五楽人」入り

七段飾り 江戸風
 江戸風の雛飾り 「五人囃子」入り
  写真の出典『雛まつり』 
         福田東久 著 近代映画社

 
 雛飾りと五人囃子 その四

 雛飾りと五人囃子 その三

 雛飾りと五人囃子 その二

 雛飾りと五人囃子 その一
   
 手作りのお雛様

 

     前回の問題 解答
 「六十路」は、「むそじ」です。
 「九十路」は、「ここのそじ」です。

 
 
     今日の問題  
 『うれしいひなまつり』に出てくる官職名は、何でしょう。
         

 

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