カテゴリー別アーカイブ: 本に囲まれて

『海城発電』 泉鏡花

 『高野聖』や『婦系図』を発表する前、
泉鏡花が24歳の時に発表たのが、『海城
発電』です。
 中国の海城から発せられた電報文の形
をとっています。

 神崎愛三郎は、赤十字社の看護員。
 中国側の捕虜になって中国側兵士を看
護した後、日本側に戻って来たところで、
日本側の兵士達から罵声を浴びせかけ
られます。

 意気地もなくて、捕虜になって、生命
が惜さに降参して、味方のことはうっち
ゃてな、支那人の介抱をした。

 き様は国体のいかむを解さない、非義、
劣等、の怯奴である、国賊である、破廉
恥、無気力の人外である。

 神崎愛三郎は、懸命に訴えます。

 自分の職務上、病傷兵を救護するには、
敵だの、味方だの、・・・ また、清国だの、
といふ、左様な名称も、区別も無いのです。

 日清戦争が終わった翌年、戦時色がま
だ濃く、検閲が厳しい時期、戦禍の中で
人の採るべき道を問う作品です。

 泉鏡花 1939年9月7日 死去
       享年 六十七

izumi kyouka

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      前回の問題 解答
 タンパク質は、古代の小麦が28%以上、
現代の小麦が10%含んでいます。、
  

 

        今日の問題 
 泉鏡花は、19歳から誰の書生となった
でしょう。
 A 大江健三郎
 B 大伴家持
 C 尾崎一雄
 D 尾崎紅葉

 

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『青鞜』の創刊

 1900年代の初頭、日本社会は大きく変
化していきます。
 各家庭で電灯がともるようになり、各
都市は鉄道網で結ばれるようになります。
 生糸や鉄鋼などの生産は、急速に増加
します。
 その反面、農民や労働者の争議も広が
りを見せます。
 日露戦争や第一次世界大戦に反対する
運動も起こります。

 このようなうねりの中で、文学者達も
立ち上がります。
 武者小路実篤等は、『白樺』を創刊。
反戦と平和を訴えます。

 この時期、女性の高等教育を受けたい
という願望が一段と高まります。
 1902年から1917年の15年間で、高等
女学校の卒業生は6倍弱も急増します。

 学問や職業を通じて見聞を広げた女性
達は、新たな地平を模索し始めます。
 そして、1911年9月1日、女性の覚醒を
願って創刊したのが、雑誌・『青鞜』です。

 創刊号の冒頭で、与謝野晶子が詠いあ
げます。

 山の動く日来る。
 かくいへど人われを信ぜじ。
 山はしばらく眠りしのみ。
 その昔において
 山は皆火に燃えて動きしものを。
 されど、そは信ぜずともよし。
 人よ、ああ、唯これを信ぜよ。
 すべて眠りし女(おなご)
 今ぞ目覚めて動くなる。

seitou soukangou

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

      前回の問題 解答
 蘇我臣の系図です。
  満智
   韓子
   高麗
  稲目
  馬子
  「蝦夷」
  「入鹿」

 

        今日の問題 
 平塚らいてうは、『青鞜』発刊に際し
て、「 」に何と述べているでしょう。
  「  」と最後の息は叫ぶであろう。

 

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『十七条憲法』の謎 その七

 蘇我臣の大和政権内での役割は、現代
の財務大臣。国庫を管理していました。
 それ以前までの国庫管理にとどまらず、
各地に「屯倉(大和政権の直轄地)」を拡
大し、大和政権の財務基盤を強化します。
 あわせて、蘇我臣自身の勢力範囲も広
げます。

 それでも、蘇我臣には弱点がありました。
 宗教的権威の、決定的な不足です。
 天皇族はもちろん、大伴連や物部連に比
べても。

 大伴連や物部連は、大和政権内で、軍事
部門を管轄しながら、神祇部門も兼ねてい
ました。
 大伴連や物部連の、古来からの神道に基
づく宗教的権威に対抗するには、神道に代
わる別個の宗教を推す以外に、策はありま
せん。
 そこで、蘇我臣が導入したのは、仏教で
した。

 
 hinon syoki hyoushi

 

 

 

 

 

 

 

 

      前回の問題 解答
 風水で建物の方位を考える場合、玄関
がある側を、向き(立向)と呼びます。

 

        今日の問題 
 蘇我臣の系図において、AとBに入る名
前は何でしょう。
  満智
  A
  B
  稲目
  馬子
  「蝦夷」
  「入鹿」

 

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刀狩と鉄砲

 1588年の七月八日(太陰太陽暦、カレ
ンダー・新暦では8月29日)、豊臣秀吉に
よって、全国に刀狩令が出されました。
 農民は、刀・脇差し・弓・槍・鉄砲・その
他の武器を所持せず、農具だけを持って
農作業に専念すべしという命令です。
 この刀狩令に、農民はそのまま従った
のでしょうか。

 『鉄砲を手放さなかった百姓たち』
(武井弘一・著 朝日新聞出版)によれば、
少なくとも鉄砲は長く持ち続けたようで
す。

 農民であるとともに猟も生業とする人
々にとり、鉄砲は、武器ではなく、猟の
道具でした。
 それゆえ、猟銃は認められました。

 猟を生業としない農民も、鉄砲の所持
を止めません。
 シカ・ウサギ・キジ・ハト・その他の作物
を食い荒らす動物を追い払うため、農民
にとって、鉄砲は手放せない大事な農具
の一つでした。
 農地を山間林地に広げようとすればす
るほど、先住してきた鳥獣と、移住して
きた農民との間で繰り広げられる対立は
激化します。農民は、ますます鉄砲を頼
りにします。

 農民は、秀吉の時代も、江戸時代も、
鉄砲を保持し続けました。
 度重なる鉄砲改めをかいくぐりながら。

katanagarirei

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      前回の問題 解答
 織姫星(ベガ)は、全天で五番目に明る
い星です。

 

        今日の問題 
 『鉄砲を手放さなかった百姓たち』によ
れば、江戸時代後期の三年間に871挺も
の隠し鉄砲が見つかったのは、関東地方
の何県でしょう。

 

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「夏から秋へ」 開進学園叢書・歌集『香る代に』から

  開進学園叢書・歌集『香る代に』
(二瓶カヨ子 作 千葉日報社)から、
「夏から秋へ」に因んだ短歌を、三首紹介
します。

  
   池の辺にとんぼ舞いたち笹の葉に 
    夏風ゆらぎぬ今朝の静けさ 

   初秋の風さわやかに鎌倉や 
    大み佛の慈悲のまなざし 

   朝露の流れの中にコスモスは
     ぬれたつかもよ日かげにほしみ 

 

tonbo aozora gazou hensyuu

 

 

 

 

 

 

 

      前回の問題 解答
  韓国併合とともに実施された「土地調
査事業」によって、朝鮮人の農民は、80
%が小作農となり、残りは朝鮮に居られ
ず満州や日本へ流浪して行きました。

 

        今日の問題 
 「トンボ」を、古代の日本では何と呼ん
でいたでしょう。

 

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『十七条憲法』の謎 その六

 天皇族と連携した豪族は、「臣」か「連」
の姓をもらい、大和政権の中に組み入れ
られて氏族となります。
 氏姓制度です。

 葛城氏は葛城臣、平群氏は平群臣、
巨勢氏は巨勢臣、蘇我氏は蘇我臣へ。
 大伴氏は大伴連、物部氏は物部連へ。

 「臣」の中の代表者が「大臣(おおおみ)」、
「連」の中の代表者が「大連(おおむらじ)」
となり、大王(おおきみ)に代わって政治の
実権を握ります。

 氏族のうち、固有の地盤を有しながら
天皇族と連携した豪族は「臣」、早い段階
から天皇族の一翼に与して力を得た豪族
は「連」となります。

 「臣」である氏族は、天皇族と上下関係
にあるという意識が薄く、天皇族へ娘を
嫁がせて外戚関係を強めようとします。
 蘇我臣もそうでした。

 「連」である氏族は、天皇族と上下関係
の意識が強く、天皇族へ娘を嫁がせよう
とはしません。

 弱肉強食を地でいく氏族間抗争で、
「臣」か「連」かの差は、大きな違いを生
み、天皇族の内部に新たな確執を生じ
出します。
             <つづく>

hinon syoki hyoushi
 

 

 

 

 

 

 

 

      前回の問題 解答
 新しい技術や独自の経営戦略をもとに
新たに起業し、革新的な事業を展開する
中小企業は、ベンチャー企業と呼ばれま
す。

 

        今日の問題 
 中臣氏は、「中臣臣」でしょうか、「中臣
連」でしょうか。

 

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羽柴秀吉と鉄仮面

 本能寺を固めるのは、織田信長の手勢
・約100名。
 本能寺を包囲するのは、明智光秀の大
軍団・約13000名。
 本能寺からは蟻一匹逃げ出せない状況
でした。
 それにもかかわらず、織田信長の死体
・首を探し出せませんでした。

  『天正鉄仮面』(清水義範著 講談社)は、
次のように話を進めます。

 当日本能寺にいたのは、織田信長の影
武者。
 姿や格好はそっくりでも、本人ではな
かった。
 だから、おびただしい数の死体を点検
しても、織田信長は見つからなっかたの
だと。

 時代は過ぎて、天下一の大泥棒と言わ
れる石川五右衛門は、大阪城の奥深くに
何某かの人物が幽閉されているらしいと
の噂を聞きつけ、真相を質すべく、大阪
城内へ侵入します。

 座敷牢に一人佇んでいたのは、鉄仮面。
 絶対に顔を見られないように、鉄の仮
面で固く覆われています。
 舌を抜かれているため、言葉を発する
こともできません。

 五右衛門は、半紙と硯を渡し、真相を
明らかにするよう促します。
 ちょうどそこへ、羽柴秀吉がやって来
ます。
 秀吉の姿を見つけた鉄仮面は、半紙に
認めて秀吉に示します。
 「朝鮮は」

 驚いた秀吉は、すぐさまその場を退席
し、朝鮮侵略の大号令を発します。
 秀吉は、はるか前に述べた自分の口上
を思い出したのです。
 「日本全土は、上様のもの。日本平定
の後に占領する朝鮮を、それがしに賜り
とう願います」
 本能寺の変から十年後のことです。

oosakajyou kochizu

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      前回の問題 解答
 『天正鉄仮面』(清水義範著 講談社)に
よれば、大阪城の座敷牢に丁重かつ厳
重に隔離されていたのは、顔も分から
ず、言葉も発せない、鉄仮面。
 その正体は、羽柴秀吉他数名のみし
か知り得ません。

 

        今日の問題 
 羽柴秀吉は、朝鮮侵略後にどのような
構想を立てていたでしょう。

 

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