〈 わらじカツ丼 〉秩父紀行その四

 初冬の紅葉を見上げ、散り積もった落ち葉を踏みしめながら、蓑山・美の山を下りれば、空腹を満たさなければなりません。
 それには、秩父名物の「わらじカツ丼」が最適です。
 大きなトンカツが二枚、丼からはみ出すほどに、載っています。

 「わらじカツ丼」が秩父に登場したのは、100年ほど前だそうです。
 「わらじ」は、履き物です。
 時代劇では、街道の宿に着いた旅人が「わらじ」を脱いで足を洗う様子が写り出されています。
 その履き物の名前を丼の名前にするほど、その当時でさえ「わらじ」は過去の遺物になっていたのでしょう。

 「わらじ」同様に藁で編んだ長履き物は、その後も長らく雪国で使われ続きました。
 一晩に50~70cmも新雪が積もると、雪かきが大変です。
 玄関先から道路までの20~30mを、人一人が通れるようにするなら、掻き出すより踏みしめたほうが楽です。

 そこで、藁長履き物が登場します。
 ゴム長靴を履いたまま左右の藁長履き物に脚を入れ、縄を手繰って藁長履き物が脱げないようにしながら、一歩一歩進んで行きます。
 周囲は極寒ながら、体の内外は熱くなる作業でした。

わらじカツ丼

〈 森閑とした神域 〉秩父紀行その三

〈 落ち葉のジュウタン 〉秩父紀行その二 

〈 旅の一歩は鰻重から 〉秩父紀行その一

〈 神戸中華街・南京町 〉西摂津紀行その8

〈 筑波山と鬼門封じ 〉筑波紀行その九

 

     前回の問題 解答
 「普遍宗教」とも呼ばれるのは、「世界宗教」です。
      
 

 
     今日の問題  
 次のことわざの〇〇〇に入るひらがな三文字は何でしょう。
  二足の〇〇〇を履く
         

 

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