カウボーイの国は、第二次世界大戦に敗れて食糧不
足で苦しんでいた日本に、自国で余っている脱脂粉乳
を提供します。
戦後の混乱から立ち直るにつれて、少しずつ高価な
乳製品を送り込みます。
そして、牛肉の一大市場に育て上げます。
日本中に、牛丼やハンバーガーのファストフード店
が、林立します。
分厚いステーキへの羨望感が、増大していきます。
イスラム文化圏などごく一部の地域を除き、世界の
大半で、カウボーイの国を標準とするグローバル化が
進行します。
そこへ登場したジョージ・W・ブッシュ大統領は、ア
フガニスタン、さらにイラクへ、大軍を派遣します。
これらの戦争を中心とする八年間におよぶ治世のか
なりの部分は、ホワイトハウス(ワシントン)から遠く
離れた、自営牧場(テキサス州)で行われたようです。
「ウシの総称」を意味する英語・cattleは、「資本」や
「首都」を意味する英語・capitalの語源となります。
< 完 >
〈 カウボーイの国 〉
世界を牛耳るウシ その16
〈 ウシの運搬 〉
世界を牛耳るウシ その15
〈 アメリカ先住民の危機 〉
世界を牛耳るウシ その14
〈 バイソンの危機 〉
世界を牛耳るウシ その13
〈 大西洋を渡るウシ 〉
世界を牛耳るウシ その12
〈 コロンブスが船に積み込んだのは〉
世界を牛耳るウシ その11
〈 香辛料 〉
世界を牛耳るウシ その10
〈 連作と輪作 〉
世界を牛耳るウシ その9
〈 肥料源 〉
世界を牛耳るウシ その8
〈 すき焼き 〉
世界を牛耳るウシ その6
〈 牛の力 〉
世界を牛耳るウシ その5
〈 赤ベコ 〉
世界を牛耳るウシ その4
〈 月への捧げ物 〉
世界を牛耳るウシ その3
〈 神様の乗り物 〉
世界を牛耳るウシ その2
〈 丑の年の、丑の日の、丑の刻の生まれ 〉
世界を牛耳るウシ その1
前回の問題 解答
千葉市の年間日照時間が平均約1946時間に対し、タ
カポ湖での年間日照時間は平均2417時間です。
今日の問題
『春秋左氏伝』の「執牛耳(牛耳を執る)」からできた
慣用句は、何でしょう。
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