『 阿蘇海・天橋立・与謝海 』 6月の開進学園だより

 東西に長大な海岸線が続く若狭湾のうち、最も西側にあるのは、宮津湾です。
 宮津湾内で、奥まった東側が阿蘇海、間に天橋立を挟み、湾口寄りの西側が与謝海です。

 『枕草子』には、趣深い地形を紹介した章段があります。
 それらの中で、海は三ヶ所しか名前が挙げられていません。
   海は水うみ。与謝の海。かはふちの海。
 日本中には海域が数限りなくあるのに、与謝海が三本の指に数えられています。

 室町幕府の将軍・足利義満は、亡くなる前年まで、合わせて六回も、天橋立へ出かけています。
 天橋立を「宇宙の玄妙」と讃えながら。

 江戸時代に発行された『日本国事跡考』では、厳島・天橋立・松島が「三処の奇観」と紹介されます。
 これが、後になって「日本三景」と呼び換えられます。

 阿蘇海と与謝海双方の沿岸流によって、北岸にあった砂嘴は、南へ南へと延長し、南北に細長い砂州を造成します。
 そうなると、与謝海からの海水の流入が激減し、阿蘇海の水質が悪化します。

 そこで、『天橋立切断の願い』が、何度も提出されます。
 与謝海からの海水の流入を回復して阿蘇海の水質を改善するのか、あくまでも天橋立の景観を保全するのか、 阿蘇海と天橋立と与謝海との新たな連携が模索されています。

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     前回の問題 解答
 1863年に、長州藩の藩庁は萩から山口へ移転します。
      

 
 
     今日の問題  
 赤染衛門の次の歌の◯に入る漢字は、何でしょう。
   思ふことなくてぞ見まし◯◯の海の
    天の◯◯みやこなりせば
           

 

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