人里のサクラ 山里のサクラ その十一

 大鹿桜(福島県猪苗代町)は、磐梯山の
巨大噴火をものともせず、1000年の時を
越えて、立ち続けていました。
 華やかとは言えませんが、厳かな風格
に包まれた幹から伸びる枝々に咲く花々
には、ただならぬ風氣が漂っていました。

 サクラの古木を前にして、花見の宴を
繰り広げられないのは、なぜでしょう。
 「花見とは、サクラの花そのものを見る
より、花見自体を見るのだ」という意見も
あります。
 花見をしている人々を見ると、花見の
輪に加わりたくなるものです。
 花見は次々と花見を誘い、ますますに
ぎやかになります。
 たくさんの木々は、たくさんの人々と
共に、賑わいを創り出します。

 一方、サクラの古木は、一本のみで悠
然と立ち続けています。
 たとえたくさんの人々が取り囲んだと
しても、悠然たる古木の氣迫に圧倒され、
一人一人の個に分断されます。
 そして、世界と個・生と死・・・など
の哲学的問題に直面させられます。
             <つづく>

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sakura hanabira 2019
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     前回の問題 解答
 大相撲の三段構えとは、次の三型です。
  上段の構え 不動の自然体
  中段の構え 中腰の攻撃体型
  下段の構え 腰を落とした防御体型
 

      今日の問題 
 紀貫之の次の歌の「 」に入る語句は、
何でしょう。

  「 」霞の間よりほのかにも 
   見てし人こそ恋しかりけれ 

 

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