豊臣秀吉は、なにゆえに千利休へ切腹を命じたのでしょう。
公にされている理由その一は、「大徳寺の山門の上部へ、利休の像を立てた」ことです。
雪駄を履いている利休像の真下を秀吉に潜らせるとは何事ぞ、というものです。
由緒ある大徳寺の山門へ、生前に自らの像を立てるなど、天下人にも許されるものではません。
たとえ大徳寺側の意向で立てたとしても。
公にされている理由その二は、「利休が、茶器の目利きをしながら、不当な報酬を得ている」ことです。
利休の鑑定によって茶器の価値が左右されれば、秀吉がそれまでに収集してきた茶器の価値が、揺るがされるかもしれません。
大事に至る前に、疑惑の基を裁つ必要があると考えたのでしょうか。
< つづく >

前回の問題 解答![]()
下記の『続堕落論』の作者は、坂口安吾です。
天皇の尊厳というものは常に利用者の道具にすぎず、真に実在したためしはなかった。
今日の問題
秀吉は、利休を「服わぬ人物」と見なしたかもしれません。
「服わぬ」は、何と読むでしょう。
