足利将軍家が唐物の収集を増やし続けられたのも、八代将軍・足利義政のころまでです。
室町幕府の力が衰え出すと、唐物の収集はままならなくなります。
収集を重ねて数を増やすどころか、一口また一口と、手放さざるを得ません。
美術的な価値がどうであれ、足利将軍家によって収集されていたというだけで、唐物の「価値」は格段に高まっていきました。
この「価値」ある唐物を賜うことで、足利将軍家は、権威を保たせてきました。
賜った唐物は、足利将軍家の御物であるだけで、垂涎の的でした。
一介の唐物に過ぎないとしても、御物だったというだけで名物と見なされたのでした。
< つづく >

前回の問題 解答![]()
海水よりも濃い塩水を飲むことができる唯一の哺乳類は、フタコブラクダです。
今日の問題
衰退する足利将軍家に代わって、唐物を精力的に収集し出した武将は、誰でしょう。
