茶室は戦国の世を その3

 お茶を中国から日本へ伝えた栄西(臨済宗の宗祖)は、「茶を飲めば、病が治り、命を長らえる」と、繰り返し述べています。
  茶は、養生の仙薬なり。
  延齢の妙術なり。
  山谷之を生ずれば、其の地神霊なり。
  人倫之を採れば、其の人長命なり。
   『喫茶養生記』 栄西 著 吉田紹欽 訳 講談社

 お茶は、人の体を健康にし、人の心を元気にする、仙薬でした。
 禅宗の寺院を中心として、修行しながらの飲み物でした。

 鎌倉時代に仙薬だったお茶は、室町時代に入ると、嗜好的な面や、娯楽的な面を、見せるようになります。
 さらには、賭博の中に組み込まれていきます。
 賭博の最たるものが、闘茶です。

 闘茶は、お茶を飲んで、産地を当てるゲームです。
 京都の栂尾で栽培された茶葉か、他の産地の茶葉かなどを、飲み当てるゲームです。

 問題となるのは、ゲームに賭けられた品々です。
 陶磁器や水墨画など、中国から日本へ輸入された美術品も工芸品も、非常に高価でした。
 そのような唐物を賭けてゲームをする闘茶は、ギャンブル性が極めて高いものでした。  < つづく >

 茶室 松花堂

 茶室は戦国の世を その2

 茶室は戦国の世を その1

 千利休と豊臣秀吉 その15

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 本州最北端の地は、大間崎です。
                      

 
 
     今日の問題  
 「栂尾」は、何と読むでしょう。

    

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