お茶を中国から日本へ伝えた栄西(臨済宗の宗祖)は、「茶を飲めば、病が治り、命を長らえる」と、繰り返し述べています。
茶は、養生の仙薬なり。
延齢の妙術なり。
山谷之を生ずれば、其の地神霊なり。
人倫之を採れば、其の人長命なり。
『喫茶養生記』 栄西 著 吉田紹欽 訳 講談社
お茶は、人の体を健康にし、人の心を元気にする、仙薬でした。
禅宗の寺院を中心として、修行しながらの飲み物でした。
鎌倉時代に仙薬だったお茶は、室町時代に入ると、嗜好的な面や、娯楽的な面を、見せるようになります。
さらには、賭博の中に組み込まれていきます。
賭博の最たるものが、闘茶です。
闘茶は、お茶を飲んで、産地を当てるゲームです。
京都の栂尾で栽培された茶葉か、他の産地の茶葉かなどを、飲み当てるゲームです。
問題となるのは、ゲームに賭けられた品々です。
陶磁器や水墨画など、中国から日本へ輸入された美術品も工芸品も、非常に高価でした。
そのような唐物を賭けてゲームをする闘茶は、ギャンブル性が極めて高いものでした。 < つづく >

前回の問題 解答![]()
本州最北端の地は、大間崎です。
今日の問題
「栂尾」は、何と読むでしょう。
